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非常警報器具と設備の違いを徹底解説!設置基準・点検・費用

非常警報器具と非常警報設備の違い

この記事では、「非常警報器具」と「非常警報設備」の違いについて解説しています。

実はこの2つ、消防法では全く別のものとして扱われているんです。建物の安全を守る重要な存在なのに、その違いって意外と知られていないんですよね。

たとえば、避難訓練でよく見かけるメガホン。これは「器具」です。一方、建物全体に響き渡る火災報知器のベル音。これは「設備」の一部なんです。

今回は、非常警報器具と設備の基本的な違いはもちろん、消防法で定められた設置基準から定期点検の内容、そして気になる費用まで、現場の経験を踏まえながらお伝えしていきます。

あなたの建物の安全対策、本当に大丈夫でしょうか?ぜひ最後まで読んで、チェックしてみてください。

目次

非常警報器具と非常警報設備の違い

マンションの自動火災報知設備

火災が起きたとき、建物にいる人たちに危険を知らせて、すぐに避難してもらう。この大切な役割を持っているのが「非常警報器具」と「非常警報設備」です。

でも実際のところ、その中身や規模、法律での扱いはまったく違うものなんです。よく混同されがちですが、この違いをきちんと理解しておくことが、いざという時の備えの第一歩になります。

それではまず、それぞれがどんなものなのか、具体的に見ていきましょう。

そもそも「非常警報器具」とは?

非常警報器具って、簡単に言えば「持ち運べる警報道具」のことです。比較的小さな建物で使われることが多く、電池式や手動式のものがほとんど。専門的な知識がなくても、誰でもすぐに使えるのが大きな特徴です。

実は、大がかりな非常警報設備を設置する必要がない施設では、代わりにこの器具の設置が求められているんです。

携帯用拡声器(メガホン)

メガホンといえば、運動会や避難訓練でおなじみですよね。声を大きくして遠くまで届けられるので、単に「火事だ!」と知らせるだけでなく、「2階の方は西側階段から避難してください」といった具体的な指示も伝えられるのが強みです。

消防法では細かい仕様までは決められていませんが、いざという時にバッテリー切れ…なんてことにならないよう、定期的なチェックは欠かせません。

手動式サイレン

停電でも関係なし!ハンドルをぐるぐる回すだけで、耳をつんざくような警報音が鳴り響きます。その音量、なんと100デシベルを超えるものも。広い敷地でも確実に危険を知らせることができる頼もしい存在です。

緊急時にすぐ見つけられるよう、多くの製品が目立つ赤色をしているのも特徴的ですね。

ゴング

非常ベルに似た見た目ですが、ハンマーで金属の椀をガンガン叩いて音を出すタイプです。「カン、カン、カン」という音、どこかで聞いたことありませんか?

構造がシンプルなので壊れにくく、確実に音が出せるのがメリット。人の手で連続して鳴らすことで、ただならぬ事態を知らせます。

警鐘

お寺の鐘のような形をした、昔ながらの警報器具です。木の槌で叩いて鳴らすタイプで、電気は一切不要。ただ最近では、メガホンやサイレンに取って代わられて、見かける機会はめっきり減りましたね。

「非常警報設備」とは?その定義と主なシステム構成

一方の非常警報設備は、建物にがっちり固定された大規模な警報システム全体を指します。火災を自動で見つけたり、建物中のベルを一斉に鳴らしたり…かなり複雑な仕組みで動いています。

たくさんの人が出入りする大きな施設には必ず設置されていて、いくつもの機器が連携して働くのが特徴です。

自動火災報知設備

非常警報設備の中核となるシステムです。煙や熱を感知する「感知器」、人が手で押す「発信機」、それらの信号をキャッチする「受信機」、そして警報を鳴らす「地区音響装置」…これらが一体となって、火災の早期発見と周知を実現しています。

非常ベル・自動式サイレン

火災信号を受けると「ジリリリリ!」という、あの耳に残る音を建物全体に響かせます。消防法では、床から1メートルの高さで90デシベル以上の音量が必要と決められているんです。

建物全体で一斉に鳴らす方式と、火元の階とその上の階を中心に鳴らす方式があって、建物の特性に合わせて選ばれています。

放送設備

「火事です、火事です。落ち着いて避難してください」という、あの音声放送システムです。ベルの音だけでなく、言葉で具体的な指示を出せるのが最大の強み。

最近では英語や中国語、韓国語など、多言語での放送ができるシステムも増えてきました。外国人観光客が多い施設では、もはや必須の機能と言えるでしょう。

非常警報器具と非常警報設備の違い

ここまでの話を整理すると、器具と設備の違いがはっきり見えてきます。

観点非常警報器具非常警報設備
携行性持ち運び自由(メガホン、手動サイレンなど)建物に固定、移動は不可能
簡易性説明書なしでも使えるある程度の知識や訓練が必要な場合も
構成・システム単体で完結する「道具」複数の機器が連動する「システム」
設置対象20〜50名未満の小さめの施設50名以上が利用する大型施設
点検・整備比較的シンプルな確認作業専門技術が必要な本格的な点検

携行性の違い

一番わかりやすい違いがこれ。メガホンは片手で持って走り回れますが、壁に取り付けられた非常ベルは動かせません。当たり前のようですが、これが実は大きな違いなんです。

簡易性の違い

手動サイレンはハンドルを回すだけ。でも非常警報設備の受信機となると、どこで火災が起きたかを示すランプがずらり…。操作するには、ちょっとした知識が必要になってきます。

構成・システムの規模の違い

器具は1つで役割を果たしますが、設備となると感知器、発信機、受信機、音響装置などが配線でつながって、建物全体をカバーする巨大なネットワークを形成しています。

設置基準の違い

消防法では、建物の使い方や収容できる人数によって、器具を置くべきか、設備を入れるべきかがきっちり決められています。

点検・整備内容の違い

器具の点検は見た目のチェックと簡単な動作確認がメイン。でも設備となると、配線のチェックや非常電源のテストなど、専門的な知識がないとできない作業がたくさんあります。

非常警報器具・設備の設置基準と対象施設

ここまで読んで、「うちの建物はどっちが必要なの?」と思った方も多いはず。

消防法では、建物の使われ方や何人くらいの人が利用するかによって、器具か設備か、どちらを設置すべきかがはっきり決められています。詳しく見ていきましょう。

非常警報器具の設置基準

非常警報器具が必要になるのは、基本的に20人以上50人未満の人が利用する事業所です。比較的こじんまりとした施設が対象になります。

【対象となる建物の具体例】

  • 街角のコンビニ、個人経営の飲食店
  • カラオケボックス、インターネットカフェ
  • 小さめの民宿、グループホーム

こうした施設では、火災が起きたときにメガホンや手動サイレンで素早く危険を知らせる体制が必要です。

非常警報設備の設置基準

非常警報設備が必要になるのは、基本的に50人以上が利用する建物です。不特定多数の人が出入りする大きな施設が該当します。

【対象となる建物の具体例】

  • 学校、病院、介護施設
  • 映画館、劇場、デパート
  • ホテル、旅館、マンション

ただし、建物全体が自動火災報知設備でカバーされている場合は、非常警報設備を別途設置しなくてもよいケースもあります。

特定の用途・規模による追加基準(高層建築物、地階など)

さらに特別な条件の建物では、もっと高度な設備が求められます。

  • 11階建て以上の建物地下3階以上まである建物
  • 800人以上が利用できる特定防火対象物

こうした建物では、ベルやサイレンだけでなく、音声で細かく避難誘導ができる放送設備(非常放送設備)の設置が消防法で義務付けられています。

消防法に基づく点検義務と費用相場

非常警報器具や設備は、設置したら終わり…ではありません。いざという時にちゃんと動くように、消防法で決められた定期点検が必要なんです。

この点検をサボると、肝心な時に動かないだけでなく、法的にもペナルティを受ける可能性があります。それぞれの点検内容と、みなさんが一番気になる費用について説明していきます。

非常警報器具の点検内容と頻度、費用相場

非常警報器具も、プロによる点検(消防設備点検)が必要です。

  • 点検の頻度:半年に1回の「機器点検」と、年に1回の「総合点検」
  • チェックする項目
    • 見た目に変形や破損がないか
    • メガホンやサイレンの音はちゃんと出るか
    • 電池式のものは電池の残量は十分か
  • 費用の目安:建物の大きさや器具の数にもよりますが、他の消防設備とまとめて数万円程度からが相場です。

非常警報設備の点検内容と頻度、費用相場

非常警報設備は器具より複雑な分、点検も大がかりになります。

  • 点検の頻度:半年に1回の「機器点検」と、年に1回の「総合点検」
  • チェックする項目
    • 受信機、発信機、音響装置の見た目と動作
    • 予備電源(バッテリー)の電圧や性能
    • 感知器を実際に動かしてみる連動テスト
  • 費用の目安:設備の規模によってピンキリですが、小さめの建物で5万円〜10万円程度。大型施設になると数十万円以上かかることも珍しくありません。

消防設備の点検には専門知識が必要なので、資格を持ったプロに任せるのが必須です。

【業者に頼むメリット】

  • 法令をクリア:消防法に沿った正確な点検をしてくれる
  • 安全の確保:設備の不具合を早めに見つけて直してくれる
  • 面倒な書類もお任せ:消防署への報告書作成を代わりにやってくれる

信頼できる業者を選ぶコツは、複数の業者から見積もりを取ること。値段だけじゃなく、これまでの実績や担当者の対応、点検内容の詳しさも比べてみてください。

非常警報設備導入・設置の具体的な流れ

もし今、あなたの建物に非常警報設備を新しく設置することになったら、どんな手順で進めればいいのでしょう?

設置が必要かどうかの確認から、実際の工事、そして完成まで。その流れと、失敗しないためのポイントをお話しします。

設置義務の確認から見積もりまでの流れ

STEP
設置義務をチェック

最寄りの消防署や専門業者に相談して、自分の建物に本当に設備が必要なのか、必要ならどんな設備なのかを確認します。

STEP
信頼できる業者を選定

実績があって評判のいい消防設備業者を何社かピックアップします。

STEP
相見積もり

複数の業者から見積もりを取って、価格や提案内容を比べます。相場から大きく外れていないかもチェックポイントです。

STEP
現地調査

業者に実際に建物を見てもらって、建物の構造や今ある設備を踏まえた最適なプランを提案してもらいましょう。


    工事から検査・引き渡しまでの流れ

    STEP
    契約

    内容と見積もりに納得したら契約。消防署に着工届を出してから工事開始です。

    STEP
    設置工事

    設計図通りに、受信機や感知器、配線などを設置していきます。

    STEP
    消防署の検査

    工事が終わったら設置届を提出。消防法の基準通りに設置されているか、ちゃんと動くかを検査してもらいます。

    STEP
    引き渡し

    検査に合格したら検査済証がもらえます。使い方の説明を受けて、設備の引き渡し完了。このタイミングで、今後の定期点検についても相談しておきましょう。


      導入時に注意すべきポイントとよくある失敗談

      せっかく設備を入れるなら、失敗は避けたいもの。よくある失敗例を知っておきましょう。

      • 安さだけで業者を選んだ結果…:工事の質が悪かったり、その後のフォローがまったくなかったり。安物買いの銭失いになることも。
      • 契約書をよく読まなかった…:追加工事の費用をどちらが負担するかなど、細かい部分を確認せずにトラブルになるケースがあります。
      • 設置後のことを考えていなかった…:定期点検や修理の計画を立てていなくて、急な出費に慌てる…なんてことも少なくありません。

      大切なのは、目先の費用だけでなく、長い目で見た運用やメンテナンスまで考えて、しっかりとした専門知識を持つパートナーを選ぶことです。

      まとめ

      今回は、「非常警報器具」と「非常警報設備」の基本的な違いから、消防法の設置基準、点検義務、そして費用相場まで、幅広くお伝えしてきました。

      【この記事のポイント】

      • 器具は「持ち運べて小規模施設向け」、設備は「建物に固定で大規模施設向け」の警報システム
      • どちらを設置するかは、建物の用途と収容人数で決まっている
      • どちらも定期点検が法律で義務付けられていて、安全を守るために欠かせない
      • 設備の導入や点検は、信頼できる専門業者に頼むのが成功への近道

      火災は、いつどこで起きるか誰にも分かりません。だからこそ、万が一に備えた対策が大切です。

      この記事を読んで、あなたの建物の防災対策は十分だと思いましたか?それとも、ちょっと不安になりましたか?

      どちらにしても、この機会にぜひ一度、現状をチェックしてみてください。あなたとあなたの大切な人たちを火災から守るために、今できることがきっとあるはずです。

      目次