スプリンクラーポンプの更新、一体いくらかかるのかについてです。
結論から言えば、工事費用の相場は250万円〜1,000万円程度。建物の規模やポンプのスペックによって大きく変動します。
本記事では、費用の内訳から交換時期の目安、信頼できる業者の選び方までを網羅的に解説。
無駄なコストを抑えた更新工事をしましょう。
スプリンクラーポンプ更新工事の費用相場と内訳

スプリンクラーポンプ(消火ポンプ)の更新費用は、建物の規模や設置状況によって大きく異なります。
一般的な相場は、消火ポンプ全体で250万円〜1,000万円程度。
大型施設用のスプリンクラーポンプ単体でも、約550万円以上になるケースは珍しくありません。
なぜこれほど高額になるのか。理由はポンプ本体の価格だけでなく、重量物の搬出入や配管工事といった付帯作業が発生するためです。
内訳を把握しておけば、見積もりの妥当性を判断しやすくなります。
【費用の概算内訳】
| 項目 | 費用の目安 | 内容 |
| ポンプ本体価格 | 全体の50〜60% | ポンプユニット、モーター、制御盤など |
| 工事施工費 | 全体の30〜40% | 撤去、据付、配管接続、電気工事など |
| 諸経費 | 全体の10%程度 | 運搬費、廃棄処分費、安全管理費など |
費用が変動する3つの要因
同じような建物でも、見積もり金額に差が出ることがあります。主な要因は以下の3点です。
1. ポンプのスペック(揚程・吐出量)
水を汲み上げる高さ(揚程)や、1分間に放出する水量(吐出量)が大きくなるほど、ポンプ本体の価格も上がります。
2. 設置場所の状況
地下の機械室や屋上など搬入経路が狭い場所では、クレーン使用や解体作業の手間が増加。その分、工賃も割高になります。
3. 付帯設備の工事範囲
ポンプ周辺の配管やバルブ、電気配線も同時に劣化していれば、それらの交換費用が上乗せされます。
スプリンクラーポンプの仕組みと役割
スプリンクラーポンプは、消防法で定められた加圧送水装置の一種。
火災時に水槽から水を吸い上げ、高い圧力をかけてスプリンクラーヘッドまで送り届ける役割を担っています。
平常時は配管内の圧力を監視しながら、万が一の火災に備えて待機。
いわばスプリンクラー設備全体の心臓部であり、これが動かなければ消火活動は始まりません。
ポンプが起動する仕組み
起動のトリガーは、圧力の変化です。
- 火災の熱でスプリンクラーヘッドが開放され、水が放出される
- 配管内の圧力が低下
- 圧力タンクや呼水槽の圧力スイッチがこれを感知
- 制御盤に信号が送られ、ポンプが自動起動
このように複数の機器が連動して初めて正常に機能するため、ポンプ本体だけでなく周辺機器の状態も見逃せません。

スプリンクラーポンプの更新工事が必要となる時期
スプリンクラーポンプの交換時期の目安は、設置からおおよそ18年〜20年。
多くの建物では、大規模修繕のタイミングや消防設備点検での指摘をきっかけに更新を検討します。
法改正により古いポンプが型式失効となり、部品供給が停止するケースも更新の契機となるでしょう。
壊れてからでは遅い。計画的な更新こそが、建物の安全管理における鉄則です。
定期点検で以下のような症状が確認された場合、寿命が近づいているサインと考えてください。
- ポンプ起動時の異音や振動が激しい
- 軸受(ベアリング)から水漏れ・油漏れがある
- 規定の圧力まで上がらない、または圧力が安定しない
とりわけ「圧力が上がらない」症状は致命的。
20年を超えて使用している場合、修理よりも更新を優先すべきでしょう。
誤作動時の緊急対処法
スプリンクラーポンプは、火災以外の要因でも起動してしまうことがあります。いわゆる「誤作動」です。
主な原因は、配管の腐食による水漏れや、バルブの緩みによる圧力低下。ポンプが「火災だ」と勘違いし、自動起動してしまうのです。
【管理者が行うべき緊急対処】
- 制御盤を確認:「ポンプ停止」ボタンを押し、一時的にポンプを止める
- 警報音を停止:非常ベルが鳴っていれば、制御盤等のスイッチで音響を停止
- 専門業者へ連絡:消防設備の専門業者へ至急連絡し、原因調査を依頼
誤作動を放置すれば水損事故につながりかねません。速やかな対応を心がけてください。

更新工事の流れと工期の目安
更新工事は、新しいポンプを置いて終わりではありません。以下の流れで進行します。
- 事前調査・計画:搬入経路や寸法の確認
- 既存ポンプの撤去:水抜き、配管切り離し、解体、搬出
- 新規ポンプの設置:基礎への固定、レベル調整
- 配管・配線接続:吸込・吐出配管の接続、電源結線
- 試運転・調整:放水試験、圧力調整
工期の目安は、ポンプ交換のみなら1日〜3日程度。ただし、配管の腐食が激しい場合や基礎の打ち直しが必要な場合は、さらに日数がかかることもあります。
費用を抑えるためのポイント
更新費用は高額ですが、工夫次第でコストダウンは可能です。
まず検討したいのが、ポンプ全体ではなくモーターや制御盤など部品単位での交換(50〜100万円程度)。
ただし、設置から20年を超えている場合は、全体交換の方が長期的には経済的になることも少なくありません。
また、自治体によっては消防設備の改修に使える補助金・助成金が存在します。
確認すべきポイント
- 地元自治体の中小企業向け設備投資補助金
- 防災・減災に関連する助成制度
工事契約前には必ず複数の業者から見積もりを取得し(相見積もり)、提案内容と費用を比較してください。
信頼できる業者を選ぶチェックリスト
消防設備の工事は、人命に関わる重要な作業。「安いから」という理由だけで業者を選ぶのはリスクが伴います。
以下のチェックリストを参考にしてください。
- 有資格者の在籍
- 見積もりの透明性
- 施工実績
- アフターフォロー
甲種1類消防設備士など専門資格を持つ技術者が施工・管理を担当するか。
見積書は「工事一式」ではなく、機器費・材料費・労務費が明確に記載されているか。
同規模の建物や屋内消火栓ポンプなど類似案件の実績があるか。
工事後の定期点検や緊急時対応が可能か。これらを事前に確認しておくことで、業者選びの失敗を防げます。
更新工事における管理者の対応
工事期間中は一時的に消火設備が機能停止するため、管理者には特別な対応が求められます。
断水と機能停止の周知
工事中はスプリンクラーや屋内消火栓が使えなくなる時間帯を、テナントや利用者へ事前に通知しておきましょう。
警備会社への連絡
工事中のテスト警報で警備会社が出動しないよう、事前に工事日時を伝え、発報時の対応を取り決めておく必要があります。
消防署への届出
消防法に基づき、工事着工届や設置届を管轄の消防署長等へ提出しなければなりません。
通常は業者が代行しますが、管理者は控えを保管する義務があります。
部品交換と全体交換の費用対効果比較
「まだ使えるのでは?」と迷う方のために、部分修理と全体交換を比較しました。
| 比較項目 | 部品交換(修理) | 全体交換(更新) |
| 費用の目安 | 数十万円〜100万円 | 250万円〜1,000万円 |
| メリット | 一時的な出費を抑えられる | 故障リスクが解消され、次の20年は安心 |
| デメリット | 他の部品が故障する「いたちごっこ」になりやすい | 初期費用が高額 |
| 推奨ケース | 設置15年未満で特定部品のみ故障した場合 | 設置18年以上、または複数箇所に不具合がある場合 |
まとめ
スプリンクラーポンプの更新は、建物の安全を守るための重要な投資です。
「ポンプから異音がする」「点検で交換を勧められたが、費用が適正かわからない」というお悩みがあれば、まずは弊社による現地調査と見積もり依頼から始めてみてください。
早めの行動が、予期せぬトラブルと余計な出費を防ぐ第一歩となります。
関西システムサポートが選ばれる3つの理由

1. 法令準拠&現場対応力

KSSは消防設備士・防災士など国家資格者が在籍。公設消火栓、防火水槽、屋内スプリンクラーまで、幅広い設備の設計・施工・点検に対応
2. 各種施工実績
- 店舗改装に伴う屋内消火栓の移設
安全性と利便性を両立する配置替えを実現 - 事務所ビルでのスプリンクラー含む消防設備点検
スプリンクラー、消火器、報知器などを法令通りチェックし、レポートも迅速
これら豊富な実績により、安心してスプリンクラー設備を任せていただけます。
3. 維持管理・点検も一括サポート

- 定期点検(機器/総合):半年ごとの機器点検、年1回の総合点検を実施し、管理者への報告にも対応。
- 点検結果の消防署報告も代行:報告形式に不安がある方でも安心です。
KSSのスプリンクラー設備工事の流れ
建物規模、水源・配管状況、用途(オフィス・店舗など)を丁寧に確認。最適な設計をプランニング。
必要水量や配管ルート、吸水方式など法令基準に沿った設計図と詳細見積りをご提出。
資格者が責任施工。工事中も安全とビジネス継続を確保するサポート体制。
放水試験、動作確認をきちんと実施後、合格判定をしてご引き渡し。
半年・年1回の法定点検に加え、異常があればすぐ対応。報告代行もお任せください。
施工対応エリア・お問い合わせ先
- 対応エリア:大阪・兵庫・京都を中心とした関西圏
- 営業時間:平日9:00~17:00(土日祝休)
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